こんにちは、VRに絶賛どハマり中の@あかしぃです。
昨日、最近話題の「ミライの作り方」を読んだので、書評を書いてみようと思います。Amazonでは入荷待ちだったので店頭で買ってきました。レジに持っていくのちょっと恥ずかしかった・・・。でも輝夜月ちゃんかわいい。
著者のGOROmanさんはTwitterでも積極的に活動していて、自分もフォローさせてもらっていますが、とにかくずっとTwitterにいるイメージです笑 ツイートやリツイートが絶え間なく流れてくるので、この人いつ仕事してるんだろう・・・?と思うほど。
でも、考え方や仕事への姿勢はとても参考になりますし、VRやARに関するツイートが多いので、非常に勉強になります。VRに興味のある人はフォロー必須だと思います。
ミライの作り方の書評
さて、本の内容についてです。「ミライの作り方」は5章からなっており、おおまかに内容を分けると、
- GOROmanさんの生い立ちや現在までの活動について
- ARやVRによって未来はどう変わるか
という2つのテーマで構成されています。
とくに後半の、「ARやVRによって何が変わるのか」はとても面白かったです。自分がイメージする未来と被っていた部分もありますし、確かにそんなことも起こり得そう!とハッとする内容も多くありました。
このまま自分の感想を垂れ流すのもアリなのかもしれませんが、それはもう読みにくい内容になるのは間違いないので、章ごとに分けて書評をしていきます。あんまり書評とか書いたことないので、「それ書評じゃねぇ!」という部分があってもご勘弁くださいね。
1章 こうして僕は「GOROman」になった
1章は章題の通り、GOROmanさんの生い立ち、とくに少年期から社会人になってVRに出会うまでがメインの内容です。
子供のころ、誰しも何かに熱中する時期があると思いますが、GOROmanさんの場合はプログラムであったり、ゲームやパソコン通信であったりと、すでにITに自然と触れていたそうです。
ゲームのプログラムを書き換えて、内容を変えてしまう・・・という型破りなこともしていたそう。自分も子供のころは何かに取り憑かれたようにゲームをしていましたが、せいぜい裏技を探すくらいでしたね。裏技を「作る」という発想はなかった気がします。
2章 日本にVRを!
この章には、GOROmanさんがOculus Riftに出会い、VRエバンジェリストとして活動した過程、記録が書かれています。
日本にVRを広めたいあまり、出会う人全員にOculus Riftを被ってもらっていたとか・・・。周りから見るとちょっとヤバい人です。でも、何かに熱中すると周りの評価なんて気にしなくなる人っていますよね。そしてそういう人のほうが、いわゆる「普通の人」より大きな成果を上げやすい気もします。行動力の違いでしょうか。
一つ意外だったのは、FacebookにOculus社が買収されて、GOROmanさん自身もFacebook社員として働いていたとき、自分の裁量で働けずとても息苦しかったと書かれていたこと。
FacebookやGoogleといった最近の巨大ベンチャー系企業って、個人の裁量が大きい会社というイメージがあったんですが、そうでもないようです。
結局、GOROmanさんはFacebookを退社し、Oculusの創業者であるパルマー・ラッキー氏もFacebookを去っています。
3章 すべてを支配する「キモズム」理論
「キモズム」とはGOROmanさんが提唱したオリジナル理論です。「イノベーター理論」の「キャズム」と大きく関係しているんですが、ほとんどの人はまずイノベーター理論を知らない・・・と思います。ぜひググってみてください。こんな図が有名です。
(「ビジネスのためのWeb運用術」様から引用)
キャズムを簡単に言うと、キャズムとは新しいもの好きな人と一般的な人の間にある認知の壁のようなものです。その壁を超えられるとその商品や概念は世の中の常識として受け入れられていきますが、超えられなかった場合は一部のマニアの中でのみ流行ったものとして、早期に廃れていきます。
それでは、キャズムを超えられるかどうかの境目はどこにあるのか、それをGOROmanさんはキモズムとしています。キモズムは、「キモい」と「キャズム」を掛け合わせた造語だそう。
キモいと思われている製品や概念は、決してキャズムを超えることはありません。キモいものは大衆には受け入れられませんから。逆に、それがマニアにはウケるわけですが・・・。
ただ、最初はキモいと思われていたものでも、技術の発達やデザインが洗練されることにより、キモさが失われていきます。結果、センスに敏感な女子高生にも受け入れられるようなものとなり、世間の当たり前のものになっていく・・・というのがキモズム理論の根幹です。
GOROmanさんによれば、VRはまだキモズムを超えられていないそうです。確かに、あんなデカいヘッドセットを被って体を前後左右に動かしまくる姿は、周囲から見ると完全にキモいやつで間違いありません。
また、「二次元」についてのキモズムもまだ残っているような気がします。最近はアニメ調キャラクターの一般化や、VTuberの登場により二次元への興味が高まっている気がしますが、二次元キャラクターに嫌悪感を感じる人はまだまだ多いです。
この2つの壁を超えない限り、VRがキャズムを超えるようなことはない気がします。
4章 VRで生活はこう変わる
一番ワクワクしたのがこの章。技術の発展によってどんなことが起こるか、生活がどれだけ便利になるかを想像するのはめちゃくちゃ楽しいですよね。
仕事や旅行の概念が変わる、というのは自分もイメージしていましたが、VRと他の技術(ARやDR)の掛け合わせは全く想像していない部分でした。
とくにDRという技術は初めて知りました。VRやARは現実世界や仮想現実を拡張していくものですが、DRは逆に現実世界から情報をカットする技術。見たくない物を消したり、聞きたくない音をミュートしたりできるそうです。
まるで「人間の機械化」のようで、少し恐ろしく感じる点もありますが、うまく使えばとても便利なものになる気がします。これらの技術が浸透した社会を見てみたいという気持ちがより強くなりました。
5章 VRは社会をこう変える
4章の内容からさらにスケールアップし、VRが国といった概念へ与える影響について考察されています。
VRが当たり前のものになると、「自分がどこにいるか」という情報、価値はゼロに近づいていきます。仮想現実でどこへでもいけますし、場所に関係なく誰とでも会えるからですね。
すると「国」という概念が薄れていきます。もちろん、現実世界でしかできないこともたくさんあるので、現実が完全に無価値になることはありませんが。生活において、仮想現実の比重が大きくなるということです。
すると、仮想現実においても国のようなものが現れるかもしれない、とGOROmanさんは述べています。国というより、一種のコミュニティに近いものかもしれません。
なかなかに壮大な話で、本当にそうなるの?と思ってしまう点もありましたが、それが実現すれば面白いな、とも思います。
まとめ
「ミライの作り方」は昨日買ったところなんですが、読み始めると面白くて一気読みしてしまいました。そして翌日にはこの書評を書いているという・・・。
VRに興味がある人はもちろん、最近、VRってよく聞くけど自分たちに何かメリットあるの?と思っている人にもぜひおすすめしたい本です。
とくに、自分と同い歳くらい(30歳弱)に人に強くおすすめしたいです。この歳になると新しいものへの敏感さというか、ついつい根拠なく否定してしまいがちになるので・・・。新しい技術や概念にはこんな可能性が秘められているんだ!というワクワクを忘れないためにも、新しいコトやモノへ積極的に触れていくようにしたいですね。
ミライのつくり方2020―2045 僕がVRに賭けるわけ (星海社新書)
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